HOWTO

Teaspoon IDE 設定ガイド

Teaspoon IDE(teaspoon-ide)の設定画面をひと通り解説します。
Gemini API キー、Ollama + Gemma によるローカル LLM、認証なしの OpenAI 互換 API、 そして v0.5.0 で追加された組織モード(一元管理)の設定方法を中心に。

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1. 設定画面の開き方

  • 画面右側の AI チャットペイン右上にある ⚙️ ボタンをクリックします。
  • API キー未設定の状態でチャットにメッセージを送ろうとしても、設定画面が自動で開きます。
設定の保存場所 すべての設定はブラウザ相当の localStorage に保存され、この PC の中だけに保持されます。API キーが設定した接続先(Google / プロキシ)以外に送信されることはありません。

2. まず UI を日本語にする

初期状態では UI が英語です。先に日本語化しておくと以降の操作が分かりやすくなります。

  1. 設定画面を開き、Appearance > Language で 日本語 を選択します。
  2. 選択した時点で即時反映されます(保存ボタンは不要)。

言語は lang/<言語コード>.json という翻訳ファイルから読み込まれます。 開発版はプロジェクト直下の lang/、パッケージ版は exe と同じ場所の resources/lang/ にあるため、自分で翻訳ファイルを追加・編集することも可能です。

このガイドでは以降、日本語 UI の項目名で説明します(必要に応じて英語名も併記します)。

3. LLM プロバイダーの選択

設定 > LLMプロバイダー > プロバイダー で AI のバックエンドを切り替えます。 この切替は即時適用され、保存ボタンは不要です。

選択肢 概要 向いている人
Gemini API(クラウド) Google の Gemini を使う。API キーが必要。高精度で速い。 とにかく確実に動かしたい、性能重視
Ollama(ローカル・オフライン) PC 上の Ollama で動く LLM を使う。API キー不要・無料・完全オフライン可。 コードを外部に送りたくない、オフラインで使いたい
迷ったら まずは Gemini API キーを設定するのが一番簡単です。ローカル LLM は無料・オフラインという利点がある一方、PC の性能とモデルサイズに結果が大きく左右されます。

4. Gemini API キーの設定

手順

  1. Google AI Studio で API キーを取得します(Google アカウントでログインし「Get API key」から作成。無料枠あり)。
  2. Teaspoon IDE の設定画面で プロバイダーが Gemini API(クラウド) になっていることを確認します。
  3. Gemini APIキー 欄にキーを貼り付けます。 右の 👁️ ボタンで入力内容の表示/非表示を切り替えられます。
  4. モデル選択 で使うモデルを選びます。既定は Gemini 3.8 Flash で、通常はこのままで問題ありません (2026年12月31日までは導入価格 $0.75/1M入力・$3.75/1M出力 で提供されており、2027年1月1日から通常価格 $1.50/$7.50 のちょうど半額です。さらに安く使いたい場合は Gemini 3.5 Flash-Lite($0.30/$2.50)がおすすめです)。 一覧に無いモデルを使いたい場合は Custom Model を選び、モデル ID(例: gemini-2.0-flash-thinking)を手入力します。
  5. 「設定を保存」ボタンを押します。 API キー・モデル・プロキシの設定はこのボタンを押さないと保存されません(外観やプロバイダー切替とは挙動が違うので注意)。
  6. チャットにメッセージを送り、応答が返ってくれば設定完了です。

注意点

  • 「設定を保存」は API キーが入力されていないと押せません。プロバイダーが Ollama のときはボタン自体が表示されません(Ollama 側の設定はすべて即時適用のため)。
  • API キーは localStorage に平文で保存されます。他人と共有する PC では取り扱いに注意してください。消去するには 「APIキーをクリア」 ボタンを使います(Gemini 系の設定のみ削除されます)。
  • 指定したモデルが利用できない場合、アプリは自動で gemini-1.5-flash へのフォールバックを試みます。それでも失敗した場合はモデル選択を見直してください(組織モード中はフォールバックは行われず、使えるモデルは組織が管理します)。
  • 組織モードでサインイン中はモデル選択ドロップダウンがロックされ、個人のモデル設定は無視されます。
  • リクエストのタイムアウトは 120 秒、応答の長さにも上限があります。大きすぎる指示は分割してください。

5. LiteLLM プロキシで API キーを隠す(任意)

本物の Gemini API キーをクライアント PC に置きたくない場合、LiteLLM などのプロキシを経由する構成が使えます。

Teaspoon IDE → ダミーキー → LiteLLM(VPS等)→ 本物の API キー → Google AI Studio

手順

  1. VPS などに LiteLLM を立てます。
    pip install litellm
    litellm --model gemini/gemini-3.8-flash --api_key YOUR_REAL_API_KEY
  2. Teaspoon IDE の設定画面で LLMプロキシ(LiteLLM) > プロキシを使用 を ON にします。
  3. プロキシ URL を入力します(例: http://your-vps:4000、https://your-proxy.com)。
  4. Gemini APIキー欄にはダミーの値を入力して 「設定を保存」。入力した値は Authorization: Bearer <キー> ヘッダーとしてプロキシに送られるので、LiteLLM 側で仮想キーを発行している場合はそれを入れます。

メリット:本物のキーがクライアントに保存されない、キーのローテーションが容易、使用量の監視・制限が可能、複数プロバイダーを統合できる、など。

6. Ollama + Gemma(ローカル LLM)

Ollama を使うと、API キー不要・完全オフラインで AI チャットが動きます。

手順

  1. Ollama をインストールします。
  2. モデルを取得します。Teaspoon IDE の既定モデルは gemma4:e4b です。
    ollama pull gemma4:e4b
    他のモデル(gemma3:4b、qwen3:8b など)でも構いません。
  3. Ollama を起動したままにします(ollama serve、またはトレイ常駐アプリ)。
  4. Teaspoon IDE の設定画面で プロバイダーを Ollama(ローカル・オフライン) に切り替えます。
  5. エンドポイント は既定の http://localhost:11434 のままで OK です。 別マシンや別ポートで動かしている場合のみ変更してください。
  6. モデル 欄は、Ollama にインストール済みのモデルを自動検出してドロップダウン表示します。 一覧から選ぶだけで設定完了です。検出できない場合は手入力欄になるので、モデル名を直接入力してください。

設定欄の下に 「接続済み - N個のモデルがインストール済み」 と表示されれば接続成功です。 プロバイダー関連の設定は即時適用されるため、保存ボタンを押す必要はありません。

Ollama 利用時は応答がトークンごとにストリーミング表示されるため、遅いローカルモデルでも生成中の様子が見えます。 キャンセルは実行中のリクエストを実際に中断します。また、各回答には使用モデル名と応答時間(例: (6.1s))が表示されるため、モデルごとの速度比較も簡単です。

ローカル LLM の限界 Teaspoon IDE は AI に // READ_FILE: などのテキストコマンドを発行させてファイル操作を行います。 小さいローカルモデルはこの形式を正確に守れず、会話はできてもファイル操作が不安定になることがあります。 3B 未満の小型モデルには自動で簡略化されたシステムプロンプトと直近 8 ターンの履歴だけが使われますが、 それでも安定しない場合はより大きなモデルを試すか、Gemini の利用を検討してください。

7. 認証なしの OpenAI 互換 API を使う

Ollama モードの通信は {エンドポイント}/v1/chat/completions への OpenAI 互換形式の POST で、認証ヘッダーは一切付けません。 そのため、認証不要の OpenAI 互換サーバーであれば、エンドポイントを向け替えるだけで動作する可能性があります。

使える可能性のあるサーバーの例

サーバーエンドポイント例備考
Ollamahttp://localhost:11434正式対応。モデル一覧の自動検出も動きます。
LM Studiohttp://localhost:1234ローカルサーバー機能を ON にしておく。
llama.cpp(llama-server)http://localhost:8080/v1/chat/completions 対応版で。
LocalAI 等http://localhost:8080OpenAI 互換 API を提供するもの。

設定のコツ

  • プロバイダーを Ollama にし、エンドポイントにサーバーのベース URL を入れます。 末尾の /v1 は不要です(アプリ側で /v1/chat/completions を付けます)。
  • モデル一覧の自動検出は Ollama 独自の /api/tags を使うため、 他のサーバーでは 「Ollamaに接続できません」という警告が出ます。 しかしモデル欄が手入力になるだけで、チャット(/v1/chat/completions)自体は動くことが多いです。 警告が出ていても、サーバー側が要求するモデル名を正確に入力して試してください。

制約(重要)

  • API キー必須のサービスには接続できません。 OpenAI 本家や OpenRouter など Authorization ヘッダーが必要な endpoint は、Ollama モードでは認証情報を送る手段がないため利用不可です。 認証ありのサービスを挟みたい場合は、手元で LiteLLM などのプロキシを立てる方法を検討してください。
  • 接続先は CSP で制限されています。 許可されるのは http://localhost:任意ポート と https:// のみです。 LAN 内の http://192.168.x.x:11434 のような平文 HTTP のリモートサーバーには接続できません (HTTPS で公開するか、SSH トンネル等で localhost 経由にしてください)。

8. 組織モード(一元管理・v0.5.0〜)

組織(会社・学校など)がメンバーの AI 利用を一元管理するためのモードです。 有効にするとアプリ全体がサインイン画面に切り替わり、組織が発行したアカウントでサインインするまで使えなくなります。 仕組みの概要や導入相談は Teaspoon IDE Organization をご覧ください。

有効にする(管理者・導入担当者向け)

  1. 設定 > 組織(Organization) の サーバーURL に、組織の管理サーバーの URL を入力します(例: https://llm.example.org)。
  2. 「組織のサインインを必須にする」 を ON にします(サーバーURL 未入力の間は ON にできません)。
  3. 即座にアプリがサインイン画面に切り替わります。以降、組織のサーバーが発行した資格情報が得られるまで待機します。

サインインする(メンバー向け)

  1. サインイン画面に組織から発行された ユーザー名 と パスワード を入力します。
  2. サインインに成功すると、サーバーがそのユーザー専用の仮想キーを発行し、以降の AI リクエストは組織の LLM プロキシ(LiteLLM 等)経由になります。本物の API キーが端末に届くことはありません。

サインイン中の動作

  • 予算残量が%表示:チャットヘッダーのモデルバッジの隣に「予算 99.9%」のように割り当て予算の残量が表示されます(金額は表示されません)。20% 未満で警告色、0% で赤になり、ツールチップにリセット日が出ます。回答ごと、および 60 秒ごとに更新されます。
  • モデルは組織の許可リスト内のみ:使えるモデルの一覧はサーバーから渡されます。設定 > 組織 に許可モデルの選択ドロップダウンが表示され、個人用のモデル選択はロックされます(組織モード中はモデルの自動フォールバックも無効です)。
  • 個人設定は温存される:組織用の資格情報は個人の Gemini API キーとは別に保存されます。サインアウト・モード解除をしても個人設定は失われません。

ローカル利用に戻す

  • サインイン画面の 「組織を使わずに続ける」 → 確認 → 「無効にする」 で、このデバイスでの組織モードを解除し、個人利用に戻れます(発行済みの仮想キーは残るため、再有効化で再サインインは不要です)。
  • サインイン済みの場合は、設定 > 組織 の 「サインアウト」 で発行済みキーを破棄できます。
サーバーURL の制約 接続先は CSP により https:// または http://localhost:任意ポート に限られます。LAN 内の平文 HTTP(http://192.168.x.x 等)の管理サーバーには接続できません。

9. その他の設定項目

設定画面の残りの項目の一覧です。特に断りがない限り、変更は即時適用・自動保存されます。

セクション項目内容既定値
外観
(Appearance)
言語 lang/<code>.json から読み込まれた言語を選択。日本語あり。 English
テーマ システム / ダーク / ライト / オーガニックライト / ミューテッドオーシャン / エンシェントコンソール / ウォールナット / ヘリテージ。「システム」は OS の設定に連動。「オーガニックライト」は真っ白が眩しい人向けの暖色系ライトテーマ。 システム
フォント UI 全体とエディターのフォントファミリー(CSS の font-family 指定)。 空欄=システムフォント
フォントサイズ 8〜32 px。 空欄=13 px
AIコンテキスト
(AI Context)
コンテキストモード ファイルツリーのみ(推奨):パス一覧だけを送り、中身は AI が READ_FILE / GREP で必要分だけ取得。トークン節約。
ファイル全文:ファイル内容をまとめて送信。高コスト。
ファイルツリーのみ
最大ファイル数 ツリーモードで送信するパスの上限(10〜20000)。 2000
履歴
(History)
最近の履歴をクリア 「最近のプロジェクト」と「最近開いたファイル(クイックオープン)」を消去。プロジェクト・チャット・設定は残ります。 —
すべてのチャット履歴をクリア 全プロジェクトに保存された AI チャット履歴を削除(実行前に確認ボタンが出ます)。プロジェクトファイルと設定は残り、開いているチャット画面もリセットされます。現在のプロジェクトの会話だけを消したい場合は、チャットヘッダーの「クリア」ボタンを使います。 —
下部ボタン
(Gemini 選択時のみ表示)
設定を保存 / APIキーをクリア 「設定を保存」は Gemini API キー・モデル・プロキシ設定を保存。「APIキーをクリア」は Gemini API キー・モデル・カスタムモデル・プロキシ URL を削除。 —

なお、チャットペインの 🧠 ボタンで「自動コンテキスト ↔ 手動ファイル選択」を切り替えられます。 手動モードではエクスプローラーで選んだファイルの内容がそのまま AI に送られます(コンテキストモード設定とは独立)。

10. トラブルシューティング

症状原因と対処
「設定を保存」ボタンが押せない/見当たらない Gemini プロバイダー選択中は API キーが必須です(Custom Model 選択時はモデル名も必須)。Ollama 選択中はボタン自体が表示されません。
「Ollamaに接続できません」と出る Ollama が起動しているか確認(ollama serve / トレイアプリ)。 curl http://localhost:11434/api/tags で応答するか試し、エンドポイント欄の URL が正しいか確認してください。 Ollama 以外の OpenAI 互換サーバーではこの警告は正常です(モデル名を手入力して使えます)。
「チャットを始めるには設定でGemini APIキーを入力してください」と出続ける プロバイダーが Gemini のままキー未保存、または「設定を保存」を押し忘れています。Ollama 利用ならプロバイダー切替を確認。
モデルが見つからない/サポート外というエラー モデル選択を別のものに変えるか、Custom Model で有効なモデル ID を入力してください。自動で gemini-1.5-flash へのフォールバックも試行されます。
タイムアウト/応答が長すぎるというエラー タイムアウトは 120 秒、応答長にも上限があります。指示を小さく分割するか、コンテキストモードを「ファイルツリーのみ」にして送る量を減らしてください。
AI がファイル操作してくれない(ローカル LLM) モデルがコマンド形式を守れていない可能性があります。より大きなモデルに変えるか、Gemini を使ってください。
サインイン画面から先に進めない(組織モード) 組織発行のユーザー名・パスワードとサーバーURL を管理者に確認してください。 組織利用をやめる場合は、サインイン画面の「組織を使わずに続ける」→「無効にする」でローカル利用に戻れます。
組織モードで「許可されていないモデル」等のエラー 組織モード中はサーバーが許可したモデルのみ使えます(設定 > 組織 のドロップダウンで選択)。 「予算」バッジが 0% なら割り当て予算の上限に達しています。ツールチップのリセット日を確認するか、管理者に相談してください。

解決しない場合は GitHub Issues で報告してください。 パッケージ版で起動自体に失敗する場合は %TEMP%/teaspoon-crash.log にログが出ていることがあります。

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